連続波とパルスで連続波 (Continuous Wave)
性質
物体への作用は、熱作用が主である。
パルス (Pulse)
瞬間的に光強度を上げる。
パルス幅は用途によりさまざまである。パルス幅ではms,ns,ps,fs,そして現在ではアト秒レーザーが存在する。
性質
瞬間的に物質に作用することが可能で、熱拡散による損失と黒体放射による損失が低減される。
Nd/Cr:YAGセラミックレーザーの特性として、Nd:YAGと比較した場合
1)飽和フルエンスJsが低い
これは低繰り返しのパルスレーザー動作の場合、ASE(蛍光増幅光)や寄生発振で制限される蓄積エネルギーが低いことを意味する。
2)しかし、1)の効果を打ち消すように、太陽光の吸収率が高く、実効寿命が1msであるため、最大で4倍程度のパルスエネルギーが得られる。
3)飽和強度Isが小さい、すなわち、少ない励起パワー密度で高いレーザー利得が得られるため、このレーザー材料は、高繰返しレーザーにも向いている。
太陽光励起レーザーの実験例
パルスレーザー発生とアブレーション実験の様子
左図 ランプ光源で励起 60nsのレーザーパルスによるアルミ板のアブレーション
エネルギー75mJ シングルショット
右図 太陽光励起 160マイクロsのレーザーパルスによるカーボンのアブレーション
1パルスエネルギー 80mJ 繰返し3Hz
注) レーザーによるアブレーションとは、強度の高いレーザー光を物質が吸収して
物質の塊が剥離し、高温のガスとなって噴出すること。