EHD and Electrostaic Propulsion Devices
電気流体力学と静電気力による推進装置

高電圧電源の開発 超軽量化


2021年 8月
2021年 9月6日


キーワード; 金属の分極、電荷、静電容量、電界、大気イオン密度、弱電離プラズマ
Keyword; EHD, Electrostaic, Propulsion, Charges, Capacitance, Polarization effect in Asymmetrical Metal Structure, Plasma


軽量化高電圧パルス発生装置の開発を行った。
装置に搭載可能な超軽量な高電圧パルス電源の開発
EHDデバイスに必要な軽量の高電圧発生回路に関して、開発を進めている。

問題点)
1)従来長らく用いられてきた高電圧発生装置には、必ずコア材料が存在する。この重量がとても重い。
また、コイル巻き数が多すぎる。

フライバックトランス オーリング状のコアがある。 重量は、数100g程度。
自動車とバイク用の点火コイル、コイルの巻数 数10000回、コイル直径は50μm
絶縁用のプラスチックコートがなされている。これでは重過ぎてEHDデバイスには、搭載できない。


2)駆動回路の問題
FETを複数個使用した回路が多々ある。
できる限り単純な回路を使用したい。

高電圧を用いることによる素子破壊が頻繁に生じる。
駆動用回路としてトランジスタを用いたSlayer Exciterがある。
ただ、出力が低い。

FETを1個のみ使用した自励発振型回路を用いたい。



解決策)
1)テスラコイル(TC) 無線送電等に用いられる空芯トランスを利用した変圧器

TCの小型化+単一FETを用いた発振回路

直径 2cm 高さ 3cm 出力電圧 50kV 駆動電源に依存
重量 1g(コイルのみ) 


2段 Cockcroft-Walton circuit 出力電圧30kV
重量 2g

EHD推進機を動作させるためには、コックウォルトン(CW)回路等、整流回路、DC出力化が必要


2)CW整流回路 
課題) 1.軽量化
     2.高電圧出力 DC100kV
注意)本当に長らく勝手な思い込みがあった。他のインターネットの記事で、TCの整流に関して動画や記事があり、TC出力が整流ができないと書いてあったのでそれを鵜呑みにしていた。失敗である。よくあるパルスモードでのTC動作では整流しても高電圧を得ることは困難であったが、そもそも条件が違う。CW動作でのTCの整流は可能であることを実験で確認した。勝手に高電圧出力の整流は無理と思い込んでいたが、これが誤りであった。実験でうまくいかない原因の1つが、強い思い込み、勘違いである。

実験では100kHz以上の周波数でも整流が可能であることを確認した。昔と今、10年前と後ではダイオードの特性が違うのか?逆回復時間が周波数の逆数、1周期よりもかなり短いので整流が可能。



開発した高電圧電源の回路図
小型軽量テスラコイル 
駆動は、単一のMOSFETで行う。
入力電圧 30−50V
電流    -2A程度

スレイヤーエキサイターと同じ自分励起式のテスラコイル
余計な部品や制御のための回路が不必要。
ここで、正弦波を発生。

出力 テスラコイルで5kV出力 正弦波を増幅して出力
従来、CW回路の整流には+と−の2線が必要であったが、
トップロードから単一線で出力可能

その線を直接CW回路のコンデンサに接続
CWで整流し直流高電圧を得る。

この出力は、外部コンデンサのスイッチングでパルス化される。


3)高電圧パルス発生装置
 外部コンデンサを用いたのこぎり状パルスの発生回路を利用