EHD and Electrostatic propulsion devices(1)
電気流体力学と静電気を用いた推進装置
(1)
EHD推進機の推進原理について

2014.09.09 追記
2014.09.10 追記
2022.10.15 追記
2023.08.10 追記

 リフターと呼ばれるものがあります。軽いアルミフォイルが高電圧を使って空中に浮かぶという。従来のロケットが必要とする燃料を必要としないという。ただし、電気エネルギーは消費します。世代が異なると呼び方が変わるのでしょうか?50年前ではビーフェルト=ブラウン効果やイオンクラフトというものがあった。

今は、昔と違い、インターネットの普及により簡単に情報を伝えることができるようになりました。インターネットで検索すると多くのリフターやイオンクラフトの浮上成功例が出てきます。ですので、この現象はたしかに実在し再現性があります。

 ところで、その浮上する原理について、諸説がネット上で述べられています。いろんな人は迷宮をさまよって、答えが出せないでいます。一部の人は、従来のイオン推進だと言っているようです。

 結論からいうと、リフターは電気推進の1種です。 ただし、リフターやイオンクラフトは、従来の電気推進と原理が異なります。イオン推進や、プラズマ等の磁気流体力学(MHD)を利用するMPDスラスタ、ホールスラスタ等、従来の電気推進装置は、ロケット運動方程式に従う、いわゆる反動推進です。
一部の人が反重力という名前を付けるから話がややこしくなるのではないでしょうか。

その理由として、
1)イオン化した空気が流れる方向と実際に観測される推力の方向(角度)が大きく異なる、ある特定の構造にすると直交する。
注)誤解があると思われるので書きます。アルミ板1枚にかかる静電気力は、広い2面に対してそれぞれあり、左右対称の斜め上方向を向いている。それら2つの力をベクトル合成すると上を向いているので、下方向へのイオンの流れと発生する推進力の向きが実効的に反対に見える。確認の実験をしてみるとすぐにわかります。

この事実は、リフターの推進原理が今までの反動推進と同じである、と仮定すると、明白に矛盾します。

2)また、観測されたイオン風速からイオン化大気の運動量を計算して推定される推進力は、浮上に必要な推進力に対し1けた小さい。これではイオン風でこの装置を飛ばすことはできない。

さらに、
3)大気中でなく高真空をひいた環境でも観測できる大きな推力は残っている。

これらの事実があっても反動推進の1種であるイオン推進だと主張できるでしょうか?このように多くの人が誤解している現状が、どこかのだれかにとっては非常に都合が良いのでしょう。Wikipedia の英語版では、なぜかイオンクラフト、リフターの動作原理をイオン風による反動推進だと説明していますが、根拠はありません。

このイオンクラフトやリフターの原理の正体は、静電気力です。ただし、きちんと大気中でのイオン空間分布を考慮する必要があります。静電気、電気化学や流体力学等の分野と関係があります。2つの電極それぞれにおける静電気力の不釣合いによる力の発生です。このイオン空間分布をきちんと考慮すべき点こそ、原理が単純な話ではない根本的な原因です。参考文献として以下の論文が出ているので読んで調べてもらいたい。

原理は明らかになっていない、とのマスメディアやネットでの記述が目立ちますが、メディアが本当のことを記事にしてしまうといろいろな圧力や追求があるため、本当のことをいうはずがないことぐらいは察しておいたほうがいいです。

また、真空中で推力が低下するのは、気体(大気)がなくなることにより、ワイヤ上の均衡電場の形成が阻害されるためであると思われます。さらに、ワイヤがプラスかマイナスかは関係がない。ただし、推力の大きい小さいが異なる。これは、放電閾値のイオン放出量の問題。
周囲のイオン速度の違いにより推力が変化、等がある。

大まかな原理は研究されて明らかになってきているが、まだまだわからないことが多い。

しかも、原理がわかっても実物とは程遠い。公開されている内容では、技術的に未完成であるとおもいます。

結局のところ、現状では何が足りないのか?

1)装置の単位体積当たりの推力の比率
2)電気入力に対する推力の比率
3)重量に対する推力の比率
が挙げられます。

つまり、いろんな力の原因となる要素をきちんと因数分解して理解し、それらを改善したほうが言いと言っています。見落としている原理がまだあると思います。
電圧を上げれば、または、装置を大きくすれば解決できる問題ではありません。技術の根本的な問題です。

こういっているとだめというふうに聞こえますが、技術を否定しているわけでなく改善の余地が大いにあると言っています。
都合上、知っているけれど、お伝えできない技術は多々あります、とだけ言っておきます。

日本やアメリカでビーフェルト=ブラウン効果に関する特許が出ています。半世紀の前の昔に出ていた特許ですが、そもそもの技術が進まない原因がそこにあるのではないでしょうか?特許内容やネット上の実験例を複製しようとしても上記の性能で壁に当たります。特許の内容は事実であるけれど、真の性能(技術のポテンシャル)を引き出せていないと判断します。まず、これらを先に疑うべきです。

Fizeauのコンデンサ(Gravity capacitor)についても調べましたが、あれに書いてある内容は多くが使えない
偽情報?でしょう。でも、一部のみですが、真実が含まれているような?出願されている特許の多くは実際には動きません。この場合はいいほうです。


そもそも、一番初めに公開された情報、特に原理がゆがめられていると、それに従っていくら結果を出そうと頑張ろうが成功しません。

最初に公開された情報の質が低ければ、それを引き継いで研究しようという後続の人たちは時間の損失が大きくなる。回り道を余儀なくされ、膨大な時間が浪費される。そのことにそれぞれが早く気が付いてください。

本当に時は金なりである。

真実は真実のまま、ずっとそこにある。



2021. 09. 06

推進原理について

過去根強く言われていた(今でも記述されている)イオン加速により推進力が発生しているので、これは従来の反動推進である、とのイオン加速での推進の説明は、明白な間違いである。リフター等EHD推進デバイスに興味を持っている人は、現在でも継続的に実験を行っている。海外でのネット上YOUTUBEに投稿されている複数の実験動画で、垂直方向でなく水平方向に配置されたアルミ板が上方向に吸引される現象を見て、イオン推進だと言い張ることがよっぽど奇異である。実際に実験を行いよく観察することは大切なことである。私ならイオン推進と言っている人は科学者・研究者に向いていない思考能力が足りない素人かと思い、そんなことを言われるとあっさり否定します。
 繰り返しとなりますが、イオンの流れる方向とデバイスにかかる力の方向が垂直となりイオン推進では説明が破綻している。イオン風は浮上に必要な1/10の運動量しか持たず、また、真空においてもきちんと絶縁処理をすれば動くことも確認されている。

もう21世紀にもなり世界的流れはディスクローズしましょうという流れであるのに。
なんとも矛盾した、おかしな現状である。

でも、おそらくそれは長く続かないだろう。

さて、以下、EHD推進デバイスのドローン化実現性に関する考察です。

現状の問題点
 1)一般的な認知について 原理の無理解、間違った方向への誘導
   おそらく科学技術進展の妨害が目的であろう。
   米国T.B.もイオン推進でないことは多くの実験を繰り返すことで認識していた。
   ”イオン推進”という嘘は、何か重大なことを隠すため。
   間違った情報を鵜呑みにすると、迂回させられ時間を大きくロス。
   大きな問題であるが、これは個人に如何ほどの力があるかの問題で、力のある個人であれば回避は可能。

 2)実際の動作原理解明
   10年前とは比べ物にならないぐらい進展
   主な浮上・推進の原因は結局、導体表面電荷と静電気力によるもので、金属構造を工夫し金属表面に多くの電荷を蓄積することである。
   あと、磁場は推進原理に関係がないように海外HPで言われていたが、結局、関係があった。実験で確認済み。
   これらは問題なし。

 3)搭載可能な高圧電源の開発
   皆さん実験でテレビモニター用の高電圧装置や点火コイルを用いて実験を行っている。数10kVの高電圧は容易に発生可能である。
   しかし、重量が重過ぎる。搭載するには大幅な重量カットが必要。原理から見直すべき。
   問題あり。

 4)各技術のマッチングが取れていない。
   個々の原理の解明は、ほぼ終えた。
   あと、全てをつなぎ合わせるところでうまくできていない。
   問題あり。


2022.10.15 追記

EHDデバイスの原理について、追記します。

上記で、イオンクラフトやリフターの推進力の正体は、静電気力です、と書いていますがそれ自体は正確です。

ただ1点、重要な情報が不足しています。
多くの実験結果や検討の結果、デバイスに発生する推進力の原因が静電気力であることに加え、
余剰の電荷が多量に蓄積された金属体がある特定の装置と条件下で地球の重力に反発する挙動を示す、ようです。具体的にどのようなものかというと、従来のプロペラを持つドローンのように強引に無理やり浮上するのでなく、地球から出る自然の流れに乗っかる、例えると、まるでエレベータに乗ったようにスーッと上昇するような感じです。このデバイスは、今まで我々が感覚的に経験しことのない浮上特性を持つ推進装置です。私が一体何を言っているか、本質が理解できない人がほとんどと思います。言葉では上手に伝えることが困難で、自身で実験をして体感しないと理解が追いつかないと思います。
どうも明らかに羽根を持つドローンと飛び方が違う、そう見え考えざるを得ません。

当方ではリフタータイプでなく円形の中心部を金属で覆ったEHDデバイスの浮上実験をしています。
他のHP(研究グループや企業)では、旧リフターの板をアレイ状にいっぱいならべ、苦労して浮かせようとしていますが、あれははっきり言うと”偽物”です。イオン推進も嘘です。

この”重力に反発しているかも?”の内容については、当HPの複数の別箇所で取り上げています。下の”戻る”ボタンを押してください。
なるべく具体的な実験実施例の数値データを示し、研究者らしく科学的に説明していきます。
当HPでは、本人が書いた論文の趣旨を都合よく曲げて解釈をせず、矛盾点をつきながら説明しています。

どうも、私の多くの実験結果に関する情報がネット検索に引っかからないようになっています。
他の実験写真などはまともにアップされているのですが?
特定のこの研究分野だけの画像が出てこなくだめなんですが?
どうしてなんでしょうか?

しかし、このご時勢ずっと嘘を隠し通すことはできません。必ず嘘はばれます。

イオン風による従来の反動力による推進が推進原理である、とどこかの誰かがかたくなに主張していたのは、自分たちの優位性を保つため”知られたくない真実”を隠蔽したかったからでしょう。

当然のことですが、核のように技術を持っている方が有利となり、持っていない方に実際の戦いでは勝利し支配することができます。



EHD推進デバイス 円形 1例



2023.08.10 追記

EHDデバイスの開発状況について

片手間にEHDデバイスの開発を行っています。
色々コメントをいただいたりします。
EHDデバイスの推進原理について、だいぶイオン推進であるという人は少なくなってきています。

研究の進展について

やはり、ドローンとは大きく浮上特性が異なるということが明白となりました。
普通に高電圧を印加しただけでは、特に浮上に関して鉛直上方向にしか動きません。
ドローンはモータの回転数をちょうど自重と釣り合う回転数に制御しホバリングできますが、このEHDデバイスを直流高電圧の印加のみである空間に滞空させることは困難でなく、無理です。そのちょうど良い入力電圧を見つけようとすると、EHDデバイスは左右にふらふらし始め、乗っかっている場所(空間)から外れてストンと落ちるような動作をします。
この現象は、おそらく飛行の原理に係わる重大な特性と考えます。
重力とは一体何なのかという答えが、ここら辺りの実験から見えてくると考えます。

まず、空中でのホバリングを行うため、印加電圧のパルス化を行うことでホバリングに成功しました。パルス化により上記特性を回避することが可能となりました。
この成功から、さらに進展させて飛行制御方法の開発を行うことができました。
また、多くの羽根つきドローンとは大きく異なる飛行パターンが可能であることを見出すことができました。


EHDデバイスが可能であること まとめ 当研究室で実験的に確認できたことです。

1)羽がなく、静音での飛行が可能。
2)ゆっくりじわじわ浮上。そのスピード制御も可能。
3)ゆっくりじわじわ下降。
4)急加速 
   ある瞬間に急激に速度を上げ上昇することが可能。
   例として、ゆっくりとある空間にとどまり浮上していたものが、急激に上昇できます。
5) または、4)の逆で急降下もできます。
6) 進む方向は電気的に切り替えが可能である。
    ゆっくりまたは急激にある方向に加速と減速が可能。



リンク
1.炎と高電圧電源を用いた超高電圧発生

2.EHD and Electrostaic Propulsion Devices (2)
電気流体力学と静電気力による推進装置(2)


2022.5.4
3.EHD推進器について大いなる疑問 
原理に係わる大変大きな問題。なぜ、EHD推進機が鉛直上方向しか浮き上がらないのか?
本当に重力に逆らうように浮くが?なぜ?







何事も基本が大切。大きなことを成し遂げるためには強固な基礎が必要。

  A)原点はB. Brown(バイフェルト・ブラウン)効果
   初期説明は良かったのだが。。。情報の不足。

  B)推進力発生メカニズムの誤り
   イオン風解釈の矛盾点 (米国 NRL主張の誤り)
   静電気を用いた浮上や飛行が正しい。 この理解を間違うと時間の無限ループに陥る。
   長年だまされ続けた。事実は異なっていた。
   うわさでなく自分の目で見たものを信じる。自分で実験をして確認する。

  C)推進力発生メカニズムにおける基本
    デバイスは大きな電気回路 空間を含んだ電圧がかかった電流が流れる回路
    電荷2重リング構造が基本
     電場=重力場相互作用?どうもそう見える。
     負の質量か。
     アインシュタインの一般相対性理論 重力方程式の解。

  D)必要な物品
    超高電圧発生装置
     テスラコイル 交流 単極もしくは双極
     EHD高電圧発生
      静電気的高電圧発生装置
     ジェット炎等

     直流整流
     パルス高電圧発生








参考文献
1. L. Zhao and K. Adamiak, “EHD gas flow in electrostatic levitation unit,”
J. of Electrostatics, 64, 2006, pp. 639.
2. L. Zhao and K. Adamiak, “Numerical analysis of forces in an electrostatic levitation unit,”
J. of Electros- tatics, 63, 2005, pp. 729
3. Proc. ESA Annual Meeting on Electrostatics 2011
Lia Koziell, Lin Zhao, Jonathan Liaw and Kazimierz Adamiak, Electrical & Computer Engineering Dept, Gannon University, Erie, PA, 16541
“Experimental Studies of EHD lifters”
4. T. T. Brown, “Electrokinetic Apparatus,” U.S. Patent N°2949550, 1960
5. http://www.jlnlab.com/
6. http://www.blazelabs.com/





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